2021.2.4
今回は前回に続き、嫌われる勇気の感想を書いていきます。
今回は後編となりますので、前編を見ていたい方は先にそちらを読んでみてください。
嫌われる勇気 読書感想 名著 アドラー | タロコブログ (tarokoblog.com)
前回私に響いた7つのキーワードを挙げました。
今回はそれらを深堀していきます。
1:人間の悩みは、すべて人間関係の悩みである。
これはこの本の最初の衝撃でした。人間は現状を変えたいと思っても、自分を変えることは難しいです。なぜなら、今の自分であることの方が楽だからです。
わたしもそうです。現状に不満があるけど、行動を起こせないですよね。それは行動することの予測できない変化を受け止めることが非常に難しいと思われるからです。
特にそれが対人関係であればなおさらです。対人関係で傷つかないことなんて基本的にはないと書かれています。対人関係に踏み出せば、必ず傷つくし、だれかを傷つけることになるとまで書かれています。
そこでさらに、人間の悩みは、すべて人間関係の悩みであると宣言されるのです。
これはつまり、人間の持つ劣等感というものは、すべて他人との比較により生まれているからです。
例えば私が勉強ができないということで悩むかもしれませんが、世界に私一人であればそもそも頭の良さを比較する必要がないので、そんな悩みは生まれるはずがないですよね。
どんな悩みも、元をたどれば他人との比較、競争が原因で生まれています。ということは人間関係に対する考え方を変えることが、素晴らしい人生のために必要な要素であるのではないでしょうか。
ここから哲人と青年の討論は加速していきます。
2:全盛の3つのタスク(仕事、交友、愛)
アドラー心理学は「行動面の目標」として
①自立すること ②社会と調和して暮らせること
この行動を支える心理面の目標として
①私には能力があるという意識 ②人々は私の仲間であるという意識
以上を掲げています。
少し難しいですね。。これらの目標を満たすことでより良い生活を送れるということです。
これらの目標を達成するために必要なのが「人生のタスク」です。
①仕事のタスク
これはまだ簡単です。仕事の成果という共通の目的があるため、少しくらい気が合わなくても協力できます。さらに言えば、就業時間が終われば、、または転職すれば関係も終わります。
②交友のタスク
これはその名の通り、交友関係のことです。
仕事のタスクよりは難しいですが、ここでひとつ重要なことがあります。交友関係に数は関係ありません。
関係の距離と深さが必要です。つまり少しでよいので、深い関係を築きましょう。
③愛のタスク
この人と一緒にいると自由にふるまえると思えると愛を実感できるそうです。
妻、家族と一緒に暮らすには、互いに対等な人格として扱わなければなりません。
よく世間で話題になるニュースはここができていないことが原因であると思われますよね。離婚問題とかはまさにこれでしょう。
この愛のタスクで何か問題が起きた場合、大切なことは逃げないことと書かれています。
勇気をもって関係に対して一歩踏み出しましょう。
3:課題の分離
アドラー心理学は他人からの承認を受けることを否定しています。
つまり、相手の承認を受けることとは、相手の期待を満たすために生きているということになるからです。
他人の評価を気にしてばかりいると、他人の人生を生きていることと同じことになってしまいます。
ここで必要な考え方は「課題の分離」です。
何か問題が起きた時、これは誰の課題なのか?と考えてみましょう。そして自分の課題と他者の課題に分けてみるのです。
自分の課題であれば自分で行動を起こして変えていくしかないですが、もしも他者の課題だとしたら、どんなに自分が頑張ろうが、変わることは決してありません。むしろ他者の課題に首を突っ込むことは決して行ってはいけません。
他人の評価を気にしたところで、他人からの評価を変えることはできません。自分のことを他人がどう思うのかは他者の課題なのであって、自分で相手の気持ちを変えることは実際にはできないのです。
人間関係の悩みを解決するには、この問題は誰の課題なのかを考えましょう。
そして課題を分離して、自分の課題と他者の課題の線引きを行います。もしも他者の課題であると判断したのならば、絶対に介入してはいけません。もし自分の課題であれば、介入させてはいけません。
このように割り切ってしまいましょう。
4:共同体感覚
課題の分離は対人関係のスタートだと本書では書かれています。
では、ゴールは何なのでしょう。
それが「共同体感覚」であると書かれています。
聞いたことのない言葉だと思いますが、「他者を仲間と信じ、そこに自分の居場所があると感じられること」これを共同体感覚といいます。
自分の居場所をがあると感じるためには、自ら獲得していく必要があります。
人生のタスクに立ち向かい、この人のために自分は何をしてあげられるか。を考え行動することで共同体へ向かっていく必要があります。
自分は共同体の中心ではないということを理解する必要もあります。自分は共同体の一部なので、自ら向かっていくことが大切ということですね。
5:本当の自由とは
嫌われる勇気とありますが、やはり嫌われたくないという感情は人間であれば自然なことです。それを傾向性の欲望と書かれています。
坂道を転がり落ちるようなイメージです。普通の現象、感情ということです。
そんな感情を下から持ち上げるような態度をとること。それこそが「本当の自由」であると書かれています。
黙ったいたら転がり落ちるものに対して、向かっていくことで得られるものが自由ということでしょうか。
ここで重要なのが課題の分離です。
嫌われたくないと思うのは自分の課題ですが、その人が自分を嫌うかどうかは他者の課題なのです。つまり自分はどうにもできない問題なので、無意味な悩みで坂道を落ちるのではなく。嫌われることを恐れないようにしましょう。
6:縦の関係と横の関係
日常で普通に行われる、ほめる行為、叱る行為はアドラー心理学で「縦の関係」といいます。
逆に「横の関係」とはなにかというと、同じではないが、対等な関係を言います。
横の関係は対等なので、「ありがとう」という言葉を使います。決してほめたりはしません。
評価は縦の関係により生まれる言葉です。横の関係では決して他者を評価しません。
他者とは横の関係を築き、素直な喜びと感謝の言葉を伝えましょう。
7:人生とは連続する刹那である。
過去にどんなことがあったとしても、今に自分には関係ない。未来がどうであろうと、今の自分には関係ない。つまり、いま、ここのにいる自分を精一杯生き抜く。
人生とは今、ここにいる自分の連続体であるという考え方が「連続する刹那」ということです。
目標がなくても、今の自分を必死で生きる。丁寧に、真剣に。
いまの自分にスポットライトを当てることに真剣になって生きることのみが自分の課題である。
困難なことが起きようとも何らかの行動を起こして、傾向性に立ち向かい、今ここにある本当の自由。つまり嫌われる勇気を得られる。
アドラー心理学は課題の分離をいう、一見ドライな考えをもとに人間関係の悩みをなくし、今この瞬間を必死に生きることを説いていると感じました。
正直この本を読んで「明日から実行しよう!」なんて考える人はそう多くないでしょう。
とても実践しにくいことではあると思います。実際に本書でも実践するには今の年齢の半分の年月が必要と書かれています。
私の場合30歳なので、45歳でやっと実践できるということです。
しかし、今この瞬間を、アドラー心理学を意識して生きていくこと。難しいけど傾向性に立ち向かって行動してみる。その連続が本当の自由を勝ち取ることにつながっていくものだと思います。
乱文でしたが、私の考えと感想でした。
きっと読む人によって響くところ、感じ方、解釈の仕方は大きく異なる本だと思います。
アドラー心理学奥深いです。。
ですが、この本をもとに、素晴らしい人生を築いていきたいですね。
最後まで、ありがとうございました。
コメント